コルク

コルクを抜いたら、白い煙が瓶の淵から沸き立つ。
透明よりも透き通ったグラスに、血液を注ぐ
唇を近付け、そっと接吻
口の中で転がした芳醇が鼻腔を抜ける。
一瞬の意味深に身を委ね、
茹りそうな頭にアイスノン。
12月下旬の空気が喉に滲みる。
銀のフォークとスプーンが、味覚を切り取る。
口に運ばれた至福が、夜風に舞い散る。
来年に向けて飛び立った明日以降が
笑いながら追いかけてくる。
今日も明日も明後日も す て き。