デジタル孤島

ペンというかキーボード
すっかり慣れた手つきのブラインドタッチ
目隠しで伝える頭の片隅のヘドロじみた趣味趣向
悲喜こもごもをもごもご言いあぐねる
胡坐をかいた思考に一喝
背中をひっぱたく坊主の木の板
しこたま打ち付けたでこと隙間の開いた頭蓋骨
気を散らすPUSH通知
認識の外にあるドラマを混ぜるマドラー
角が過度に立ちまくった挙句の先細り感溢れる
洪水のあとの沈黙
死ぬのか寝るのかはっきりしろ
いい加減の猶予と許されるべき緩さ
由々しき自体を飲み込むソーダ水は
しつこ味のある人生の苛立ちをも溶かしていく爽快さ
半端な気持ちで縮める禊の時間
期待を下回る品質と瓶詰めにされたリズム
賞味期限のあるなし以上に凍った神経のパルス
電波を受け取る導線を編みこんだコーンロウ
動物的勘が働いて逃げ込む文明のどツボ
ひっくり返って空を見上げたら
見覚えのある今に戻る